★危険な肥料残留農産物 ★圃場整備が始まりました ケロケロ通信 第63号

「健康のため、野菜の食べ過ぎには注意しましょう」
???……危険な農産物の残留肥料……

先日九大で開かれた、宇根豊さんが主催する「農と自然の研究所」の「生きもの目録」発表シンポジューム、記念講演の茨城大学、中島紀一先生の話の中に、大変興味深いデータがありました。

一般に国内で肥料を使って栽培されている農産物の多くが、いかに危険であるのかというものです。

作物にもよりますが、一般的に与えた窒素肥料の25%くらいしか作物に吸収されません。

残りの75%の肥料が環境を汚染しているのです。

深く大地に浸透して地下水の硝酸塩汚染を引き起こしたり、あるいは、川を汚染し、海を汚染して赤潮の大発生などを引き起こします。

以前から心配していたとおり、国土の富栄養化は大変深刻な事態です。

しかし、もっと深刻なのは、与えた肥料が作物自体に残る「硝酸塩残留汚染」の問題です。

いただいたデータによると、致死量を越える程の肥料残留野菜もあるようです。

見栄えを良くするためにやった肥料が、残留農薬どころではない非常に危険な危機的状況を引き起こしているというのです。

こういうものこそ国民にいち早く公表しなければいけないのに、例の農水省の体質でこれまで隠されてきたのでしょう。

こうなると、先生がおっしゃっていた「健康のため野菜の食べ過ぎには注意しましょう」という冗談めかした言葉に説得力がでてきます。

今や野菜を食べるのも命がけという時代になってしまったようです。

よその野菜を食べて、妙な渋みや苦みを感じることがありますが、それが残留硝酸塩の仕業なのです。

店先では、大きくて柔らかな色の濃い、肥料をたくさん与えた(有機肥料でも同じ)野菜から先に売れていきますが、そういう野菜こそが肥料の残留した危険な野菜なのです。

本当に美味しい野菜は、過剰な窒素肥料を使ってない、少し葉色の淡い、小振りでしまった野菜なのです。

その点、我が家の農産物は、米は13年間無肥料栽培だし、野菜もわずかの自家製堆肥を使って育てているので、美味しいのは当然のことだし、安心して食べることができると言うわけです。

圃場整備が始まりました

近くを通られた方はお気づきかと思いますが、数年前から計画を立ててきた、高家地区の圃場整備の本年度分の工事が、年明けから行われています。

工事は今年から3年に分けて行われます。

まっすぐな広い道に整然と並んだ広い田んぼ、だんだんとその形が現れてきました。

各田んぼにはパイプで水を引き、蛇口を回すと水が出るようになっています。

今までの田んぼは不整形のモザイクのような狭い田んぼがいくつもあって、おまけに道や排水路のないようなものも多く、圃場整備はここ高家の農家のかねてからの悲願でした。

費用はずい分とかかるけれども、後の作業性はすばらしく向上してきます。

でも問題はないわけではありません。

山土を沢山入れているため、土地がやせてしまいます。

一生懸命土作りをしても元のように出来るようになるには10年くらいはかかってくるだろうと思います。

もう一つ大きな問題は、生態系が疲弊してしまうことです。


魚をはじめとする多くの希少な生きものや、植物などが、絶滅することが予想されます。

有機農業をする身としては、この事に関して地域の農家の人にずいぶんと訴えてきたのですが、私の力不足で、その必要性を理解してもらうことがとうとう出来ませんでした。

国際競争を前に、この未来へつなぐ生態系の豊かさは、どうしてもいる必要不可欠なものだったのですが、……残念です。

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