基盤整備をする事になりました
我が家の田んぼの多くがある高家地区は、町内でも最後まで残った昔ながらの不整備田です。
援農に来ていただいた方はご存知でしょうが、田んぼ一枚あたりの面積が約1反(300坪)と狭く、今年耕作する4町5反の田んぼで実に40枚ほどもあります。
しかも、形が四角い田んぼは少なく、三角や凸凹のヒョウタン型の田んぼなどマニアックな形が多く、道路や水路がなくよその田んぼを通っていかなければ作業が出来ない田んぼもたくさんあります。
おまけにそういう所は排水が悪くじるい田んぼが多いのです。
要するに、機械で作業するのに非常に効率が悪く手間のかかる田んぼなのです。
基盤整備の話は昔から幾度となく持ち上がっていたのですが、負担金の問題などでなかなか話がまとまらずにここまで来ました。
それが今回ようやく調整がついて、5年計画で基盤整備が実現することとなりました。
しかしながら、有機農業を続けてきた我が家としてはかなりリスクが大きく、10年遅すぎた感は否めないのですが、ともかく前へ進む以上、十分未来に通用するよう少しでもよりよい整備に仕上げたいと思っています。
以下、このことに関して、よくなる点や問題点、未来に向けて目指すところやその方法など、みなさんの意見も伺いながらシリーズで報告していきたいと思います。
まず、よくなる点と問題点とを思いつくまま列記してみます。
良くなるところ
それは作業性向上につきると思います。
●田んぼが四角く大きくなる(一枚あたり3~5反)
●パイプ送水になり蛇口を開くだけで水の駆け引きが自由になる(雑草で苦労してきた問題の多くが水が自由にならなかったことに起因している)。
●農道が広くなりトラックが離合できるようになる。
●公園や公衆トイレが出来る。
問題点
●10年以上有機栽培で作り込んできて良くなってきた土地が、1/3くらいはよその田んぼと入れ替わるため、振り出しからの土づくりを余儀なくされる。また、その部分は3年間有機農産物への転換期間となり、安く販売しなければならないなど、収入や数量が毎年安定しない。(よその田んぼを作るようにしたのはその為もあります)
●工事に伴い1割程度田んぼが減歩する。
●かさ上げに使う土をどこの土を使うかで、米の食味に大きな影響がでてくる。(ここの米が粘りがあって美味しいのは、昔の人たちがここの山の土を切り出して田んぼを作ってきたからです。よその山から正土や変な土を持ってきて客土してしまったら、間違いなくまずい米になってしまいます。)
●用排水が分離されることで、水路や田んぼの自然生態系が非常に貧しくなるのではないかと危惧される。(田んぼの稲作工場化)
まだまだ問題はいろいろあるのですが、次回からは、もう少し掘り下げて考えていきたいと思います。