小川を生き返らせる「水辺のビオトープ」 ケロケロ通信 第49号

春を告げる花々もひととおり一巡して、そろそろレンゲの時期にさしかかってきました。

草や木々の芽もいっせいに伸びだして、小鳥たちも巣作りの季節です。

シジュウカラにヤマガラ、メジロ、ウグイスと我が家の庭にも次々と出てきてはしきりにさえずっていきます。

この時期我が家ではキュウリ、トマト、ナス、スイカ・・・と、夏野菜の植え付けや、中期稲の種まきなど段々忙しい季節になってきました。

私も冬の間に鈍ってしまった体と気持ちをそろそろ引きしめないと。

基盤整備
小川を生き返らせる
[水辺のビオトープ]

田舎では田植えが近づいてくると、川さらえという共同作業を毎年行います。
うちでは5月の上旬頃になります。

水路の水の流れをよくするために、入り込んだ草を切ったり、水草や流れ込んだ土砂を取り除いたり、傷んだ水路を補修したり、深いところは腰まで水につかっての大変な作業です。

中でもうんざりするのは道路沿いの水路です。
そこには毎年いろんなゴミが放り込まれています。
空き缶は言うに及ばず、傘や自転車、どうかしたらテレビやバイクまで。
しかも、手間がかかった上にお金まで出して処理しなくてはなりません。

・・・怒りと情けなさとあきらめ・・・

あれだけテレビや新聞などで川を大事にしよう、水をきれいにしようと言っているのに、誰がどういう気持ちでそんなことをしているのだろうか、私たちにはとても考えられない行為です。

そこで、このことを少し考えてみました。

彼らの目には、川はゴミ捨て場としか映ってないのです。
その原因の一つとして、川と親しんだ経験がないからではないかと思います。

私が子供の頃、今から35~40年前、川にはうじょうじょするくらいいろんな魚がいました。

小学校の帰り道、小さな流れに魚の影を見かけると、ズボンをまくり上げて流れをせき止め、川を干して魚を捕まえていました。

それが子供の遊びでした。

ところがその後全国で河川や水路の改修工事が進み、護岸がコンクリートに変わって、どこからでも出入りできない危険な川となり、子供たちが川から追い出されることになったのです。

また、同じ頃から田んぼでは農薬が、家庭では合成洗剤が使われだして、その結果、魚が激減して、同時に子供たちの興味も川から離れていってしまいました。

そういう川だから、いくらテレビできれいにしましょうと呼びかけても、なかなか意識は高くなりません。

しかし、今でも川が子供たちの遊び場だったら、きっとその意識はずっと高いはずです。

ここ高家地区の川には昔とは比べようもないほど数は減ったものの、それでもまだいろんな生き物が細々と住んでいます。

フナ、コイ、ウナギ、ナマズ、ライギョ、ドンコ、ワダカ、オイカワ、カワムツ、ニホンバラタナゴ、カネヒラ、ヨシノボリ、メダカ、カスミ?サンショウウオetc

全国で繰り広げられた今までの農業基盤整備では、これらの魚たちが田んぼの水路から姿を消してしまいました。

我々が手がける基盤整備では、決してそうならないように、水辺の生態系を再生するような環境水路(水辺のビオトープ)を取り入れろうと考えています。

そして、生態系を再生し保護するだけでなく、その中に入って、網を持って魚を追いかける子供たちまでをも再生したいと考えております。

そこまでしないと未来の川を守ることは出来ないと思います。

この時期、生傷の絶えない我が家の猫「ニャンチュー」も、半音ずれたドラ声を張り上げなから夜な夜な夜遊びにでかけていきます。2~3日帰ってこない日もたびたび。 どこかでちゃんと彼女の一匹くらい出来ただろうかな。

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